複業をきっかけに実現されること

僕は複業をきっかけに、3つのことが実現されると思っている。

まず前提として、複業はチャレンジのハードルを下げるものだと考えている。

起業や転職をすると、収入や、組織内で蓄積した周囲の評価・人間関係などが一気に変わるので、判断に慎重になる。

特に収入面を考えると、本当に好きなこと、やってみたいことを一番の基準にして選択するのは難しい。

一方で、複業であれば、今の環境に軸足を置きながら踏み込めるので、チャレンジがしやすい。

最終的に、5:5の複業スタイルになるのか、やっぱり本業1本にするのか、複業側に転職するのか、はたまた起業するのかはそれぞれだが、2つ目の仕事にチャレンジするという点では、そういう特徴があると考えている。




そんな特徴を踏まえて、3つの実現されることの1つ目は、「好きなこと・やりたいことを仕事に出来る」ということだ。なんとなくタブーとされてきたことが、恐れることなく、周囲から心配されることなく実現できる。

これは、個人と社会にとって大きな意味がある。

個人に関しては、言うまでもないかもしれないが、仕事が、そして毎日が楽しくなるということだ。

そしてもう一つ、創造性あふれる成果を出せる可能性が高くなる。

モチベーションには、外発的なものと、内発的なものがある。外発的動機づけ、内発的動機づけなどと良く言われる。

外発的動機づけとは、「この仕事をやったら、これくらいの報酬です」「これをやったら、こんな罰則です」というように、規則で人の行動を促すものだ。別の言い方をすると、アメとムチだ。

内発的動機づけとは、外発的動機づけとは反対に、「これをやってみたい」「おもしろそう」と思って、自発的な行動を引き起こすものだ。

工業社会のような、決められたことを時間通りに効率的にやるような仕事の場合は、外発的動機づけが成果を上げやすい。

一方で、創造的な思考は内発的動機で動いている時の方が働きやすい。

今後、様々な仕事が機械に置換えられていく中で、内発的動機づけによる創造的な成果が人間には求められる。

複業で好きなこと・やりたいことを仕事にすれば、求められる成果を上げやすくなるので、仕事も楽しくなるし、充実感も感じられると思う。

社会に関しては、そんな個人の成果の集合で、成長が持続する。

おもしろいことを始める人がいっぱい出てきて、そんな人と話しながら僕自身も刺激されて、おもしろい毎日を過ごしたい。結果的に、社会も豊かになりそうだし、言うことなしだ。




2つ目に実現されることは、生涯現役が無理なく実現されることだ。

これは1つ目に派生することだが、好きなことは続けたいと思うし、そうでないことは辞めることを考える。複業を通じて、自分の好き・やりたい仕事を見つけられれば、引退など考えないのではないだろうか。

僕は、生涯働き続けたいと思っている。もちろん、働く時間などは調整するだろけど。

理由は大きく2つある。

1つ目は、最後まで自立して生きていきたいから。お金と介護などの面で、あまり次の世代(特に自分の子ども)に面倒をかけたくない。医療的な面は詳しくないけど、好きな仕事で頭も体も動かし続けていれば、心身共に健康な状態でギリギリまでいけるんじゃないかと思っている。

2つ目は、人の役に立っていることを感じていたいから。なんとなく、社会とつながっていないと、あまり充実感ないんじゃないかなーと思っている。だから、仕事を通じて、人の役に立ち、社会とのつながりを感じ続けていきたい。

寿命が伸びると、退職後の生活費がかかるので仕事を続けなければならない、などと
少し悲観的な捉えられ方をしていると思う。

だったら、引退をしなければ解決されるのではないかと思っている。

別にブラックなことを言っているのではなく、好きなことを仕事に出来れば、続けたいと思うだろうし、知識やスキルもブラッシュアップし続けるだろうし、しかもそれが苦痛ではないと思う。

複業をきっかけに、好きな仕事を見つけて、生涯現役も悪くないな、という風潮の変化を起こすことも、決して非現実的なことではないと考えている。




3つ目に実現されることは、タイムラグの世界観が実現されることだ。これが一番重要(笑)。

僕らは、個人がやりたいと思い立った時に、行動に踏み出せる社会を目指している。その方が、自分で選択したことに納得して打ち込み、充実するし、楽しいし、成果も上げられると考えているからだ。これからの時代に必要な価値観だとも思っている。

ただ、これまでは20歳前後で社会に出て、60歳まで働くことを前提に、逆算的に進路やキャリアを選択して歩んできた。

その自分の中に染み付いた思考や行動パターンを一気に変えるのは難しい。自分で道筋を付けて、周囲と違う行動をとるのは、やはり怖いものだと思う。

僕らは複業が、このパラダイムを変えるきっかけになると思っている。

複業をしている人と話すと、1つ目の複業をきっかけに、2つ目、3つ目と始め、さらには起業も考え始めたという人もいる。

複業者ではないが、一般的でない進路を歩んでいる人は、最初は怖かったけど、一度外れるとこんなもんかと思ってしまう、とも話していた。

先に書いたように、複業は踏み出すハードルが低い。

だから、複業で自分のやってみたいことの一歩目を踏み出し、様々なチャレンジをして、そうするうちに既存の固定観念がリセットされる。そして、自分の時間軸で歩んでいくことが普通になっていく。

そんな大人を見て、子どもたちが固定的な進路形成にとらわれず、自分のタイミングで学び、遊び、スポーツや文化活動に打ち込み、なんなら早くから仕事を始めて稼ぎまくったりしたら、おもしろすぎる。


複業をきっかけにそんな循環を起こし、生きやすくて、おもしろすぎる人たちで溢れる社会を実現させたい。