大企業とベンチャーの両方を経験した人の経験価値

これからは、大企業とベンチャーを両方経験した人が重宝されるのではないかと思いました。そう思ったきっかけや理由について書いてみます。

大企業で新規事業立ち上げで起こっていそうなこと

退職してからも、ありがたいことに前の会社の飲み会に誘われます。まだ退職して1年も経っていないので、在職時に立ち上がった事業のことも追えているし、進捗を聞くのも楽しみ。ただ、産みの苦しみはどこも同じで、なかなか思った通りに展開できず苦労しているという話も聞きます。

話を聞いていて気になるのは、どんな顧客のどんな課題を解決しようとしているかが、あまり明確ではないのかなということです。具体的に誰が何に困っていて、現状どんな解決策をとっているか、その解決策で満たされてないことは何か、ということを深くヒアリング出来ていないような感じを受けました。あったら良いな、というレベルのサービスになってしまっているのではないか、ということです。

ヒアリングは地道な作業だし、ヒアリングをしたからといって売り上げが上がるわけではないです。お金が潤沢であれば、まずはシェアを獲ろう、それからトライアル・仮説/検証・改善だ、という流れになってもおかしくないし、そっちの方が勢いがあって楽しそう。

新規事業立ち上げの経験者は希少な気がする

そんな環境でも、「いや、顧客の課題の理解が大事だから」とか「まずは小さく始めて、PDCAのサイクルを早く回すことが大事だから」というような進め方を固持することが大事だと思います。いわゆるリーンスタートアップという手法ですが、この方法は実践しながらでないと理解が難しいと思いますし、こんな地道なやり方を徹底出来るのは、事業立ち上げで失敗した人、あるいは成功した人なのではないかと思います。

安定的に回すことが収益の大半である企業では立ち上げの失敗・成功経験はなかなか出来ないですし、定期的にゼロからの立ち上げをしているような企業でなければ、空白の年代が生まれるのが必然だと思います。つまり、創業期に近い人たちはゼロから立ち上げた経験はあるけど、ある程度大きくなってから入社した人には、その経験がない。だから今の30代、40代あたりのリーダーシップをとらなければいけない世代が、なかなかガッツリ進めることが出来ない、若手も誰に付いていけばいいか分からない、という状況が生まれている可能性があるということです。

起業・ベンチャーで身につくこと

起業をすると、必死で勉強したり、教えてもらったりしながら、とにかく必死で前進させていきます。ベンチャー企業に勤務している人も同じだと思います。実際に、起業プロセスを学ぶセミナーなどにいくと、既にいくつかサービスを潰した人が勉強しに来ていたりして、そこで学んだことを実践に移していきます。

ベンチャーでは、事業が1つなので、みんながそれにコミットしていかに成長させるかに日々腐心しています。PDCAのサイクルも早いので、失敗をする回数も多いですし、結果的に「顧客がいないサービスを作ってしまった。ピボットしなくては。」という苦々しい経験をすることも珍しくないように思います。

つまり、立ち上げでおさえなくてはいけないポイントや、ここまでニーズを掴んでいればいける、みたいな肌感覚なんかを身につける機会が多いのではないかと思います。

これから大企業は新規事業の立ち上げの必要性がさらに高まる

既存事業はどんどん新興企業に取って代わられていきます。例えば、スタディサプリは塾業界の大きな脅威になりましたし、freeeは中小企業向けのいくつかのパッケージソフトベンダーを脅かしています。いつ、どの業界にそんなプレイヤーが現れるか分からない。だから、常に新しい事業を生み出し続けていくことが必要です。

最近大企業のベンチャーへの投資が活発になっていますが、これは自社内で新規事業を立ち上げることが、前述したような理由で難しいということの表れです。実際に投資担当の人もそんなことを言っていました。

大企業とベンチャーの両方を経験した人の経験価値

最近、僕の周りで大企業からベンチャーに転職する人を多く聞くようになりました。誰もが羨むような企業から転職する人もいます。僕の勝手な持論で且つうがった見方ですが、大企業とベンチャーの両方を経験している人は、これから大企業から重宝されるのではないかと思っています(既にそうなのかもしれませんが・・)。理由は、

  • ベンチャーで新規事業の立ち上げの経験、苦しさを経験している
  • 大企業での仕事の進め方が分かっている(根回し、時間のかかり具合など)
  • つまり、こういう人を採れば、放っておいても大企業で新規事業を立ち上げてくれる可能性が高いのではないかと思います。これもうがった見方ですが、ベンチャーだけの経験の人は、大企業の進め方に苦労し「こんなはずじゃなかった」と感じて頓挫する可能性がありそうです。


    いずれにしても、挑戦する人が周りに多いのはうれしい限りです。僕も頑張らなくては!